2013/10/28

エジプト騒乱、子供の視線

エジプトの政情はだいぶ落ち着きを見せ始め、日本政府もつい先日エジプトへの渡航呼びかけを緩和しました。一方で、一度争いを目にした子供たちの頭の中には、その様子が焼き付いてしまうこともしばしばあります。

エジプト北東部の地中海沿岸の都市ポート・サイード(Port Said)は、2012年に1,000人以上の負傷者を出したサッカー場暴動の記憶に新しいように、争いのイメージを持たれることの多い場所です。

そんなポートサイードに住む子供たちが描く絵は、どのようなものでしょうか。
今年9月、「ポート・サイードの子供たち 1956-2013年 (The Children of Port Said 1956-2013)」と題した展示において、子供たちにより描かれた作品が賛否両論を呼びました。

こちらは1956年のスエズ戦争中の作品


(c. Yasmine El-Dorghamy

そしてこちらは2013年の反政府デモ中の作品


(c. Yasmine El-Dorghamy

その多くは、外で遊んだりシーソーに乗ったりしている絵ではなく、銃や街中にころがる死体、血を流す子供を抱きかかえる母など、あまりにリアルなものです。子供らしい絵のタッチにそぐわない暴力的な要素は、人々に強烈な印象を与えました。

このような絵を表に出すことについては賛否両論ある一方、絵にすることで怖いイメージを追い出すアートセラピーという心理療法もあり、エジプトでは注目が高まっています。

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